AIとファイナンス

AIとファイナンスの架け橋、それがこのブログの目指すところです。兼業投資家向けに、Pythonを駆使して株やFXの分析を「自分で」行えるようになるための情報を提供します。ニューラルネットワークを活用した市場予測から、実証済みの金融理論まで、全てのコードを公開し、誰もが活用できるように!是非色々なコードで遊んでみてください!

【米国株】フリーキャッシュフローに見る経営方針の違い【Python】

皆さん、こんにちは!今日は経済や投資において重要な指標の一つである「フリーキャッシュフロー」を通じて、異なる経営方針を持つ企業の戦略を見ていきたいと思います。特に、新しい市場に挑戦するSPAC上場企業と、伝統的で堅実な経営を続ける企業をピックアップし、それぞれのフリーキャッシュフロー時価総額を用いたデータ分析を行ってみましょう。

SPAC上場企業の例

まず、SPAC(特別買収目的会社)を利用して株式市場に登場した比較的新しい企業から3社を選びます。具体的な企業例として、SoundHound AI Inc (SOUN)、Lucid Motors (LCID)、DraftKings (DKNG)が挙げられます。これらの企業は、それぞれ音声認識技術、高級電気自動車の製造、オンラインスポーツベッティングとゲーミングエンターテインメントという異なる分野で革新を進めています。

堅実な経営をする企業の例

次に、長い歴史を持ち、堅実な経営で知られる企業から3社を選んでみましょう。例として、Coca-Cola Co (KO)、Johnson & Johnson (JNJ)、Procter & Gamble Co (PG)が挙げられます。これらの企業は、飲料、健康製品、日用消費財の製造販売を通じて、安定した経営を続けています。

データのダウンロードと可視化

それでは、これらの企業の最新のフリーキャッシュフロー時価総額を把握し、どのように異なる経営方針が数値に表れているのかを見ていきましょう。データはPythonyfinanceライブラリを使用してダウンロードします。ここでのコードは非常にシンプルで、必要なデータを効率的に取得することができます。yfinanceを使ったダウンロードの方法はこちらの記事でも書いています。

import yfinance as yf
import pandas as pd
import matplotlib.pyplot as plt

def get_company_data(ticker):
    company = yf.Ticker(ticker)
    hist = company.history(period="1mo")  # 過去1か月のデータ
    market_cap = company.info['marketCap']
    cash_flow = company.cashflow.loc['Free Cash Flow'].iloc[0]
    return market_cap, cash_flow

# 企業リスト
companies = ['SOUN', 'LCID', 'DKNG', 'KO', 'JNJ', 'PG']

# データの収集
company_data = {company: get_company_data(company) for company in companies}

# データフレームの作成
df = pd.DataFrame.from_dict(company_data, orient='index', columns=['Market Cap', 'Free Cash Flow'])
print(df)

さらに、ダウンロードしたデータを用いて、各企業を二軸で可視化します。これにより、企業ごとの戦略的な違いが一目でわかるグラフを作成します。

plt.figure(figsize=(10, 6))
plt.scatter(df['Market Cap'], df['Free Cash Flow'], color='blue')

for i, txt in enumerate(df.index):
    plt.annotate(txt, (df['Market Cap'][i], df['Free Cash Flow'][i]))

plt.title('Market capitalization and free cash flow by company')
plt.xlabel('Market capitalization ($ million)')
plt.ylabel('Free cash flow ($ millions)')
plt.grid(True)
plt.show()

結果

フリーキャッシュフローの重要性とマイナス値の意味

上の結果の通り、SPAC上場をした企業群はフリーキャッシュフロー(FCF)がすべてマイナスになっています。これは一体どういうことなのでしょうか?

まずそもそもフリーキャッシュフローとは企業が通常の業務活動から生み出す現金から、維持や拡大に必要な資本支出を差し引いた金額です。この数値は、会社が自由に使える現金の量を示し、投資家にとっては特に重要な指標の一つです。フリーキャッシュフローが正であれば、会社がその資金を使って配当を支払ったり、借金を返済したり、新しいプロジェクトに投資したりする能力があることを意味するからです。

フリーキャッシュフローがマイナスである意味として、企業が現金を消費しており、資本支出が現金収入を上回っている状態を指します。これは、拡大と成長、市場での立ち位置の確保など、一時的にフリーキャッシュフローを圧迫する要因となります。

まとめ

フリーキャッシュフローは、企業の健全性と将来性を測るための鍵となる指標です。この指標がマイナスであることは、必ずしも企業の問題を意味するわけではなく、場合によっては積極的な投資と成長戦略の反映であることを理解することが重要です。投資家は、この指標を他の財務データや市場動向と合わせて評価することが求められます。

ai-and-finance.net

 

【銘柄分析】 Micron Technology Inc (MU)【米国株】

目次

会社概要

Micron Technology Incは、データを理解し、情報を活用するための技術を提供する世界的なメモリソリューションのリーダーです。同社はDRAM、NAND、NOR技術など、主要なメモリとストレージ技術の製造を手がけています。AIや5Gなどの革新的な分野での基盤技術を提供し、自動車、通信、医療など多岐にわたる業界におけるイノベーションを推進しています。​Micron Technologyは1978年に設立され、アイダホ州ボイシの地下室でスタートしました。わずか4人のチームから始まり、その後、世界をリードするメモリソリューション企業へと成長を遂げました。​ Micron TechnologyNASDAQに上場しています。ティッカーシンボルは「MU」です。​S&P 500指数やNASDAQ 100指数の構成銘柄です。​ (Wikipedia) (Micron Semiconductors)​ 

現在のチャート

 

財務分析(貸借対照表

Balance Sheet

流動資産の変動:

2023年8月31日時点での総流動資産は21,244百万ドルで、前年の21,781百万ドルから減少しています。特に受取手形が2,443百万ドルと、前年の5,130百万ドルから大幅に減少しており、企業の短期的な債権回収能力に影響が出ている可能性があります。在庫は8,387百万ドルと前年の6,663百万ドルから増加しており、製品のストックが増えていることが見て取れます。

負債の増加:

長期負債は13,052百万ドルと、前年の6,803百万ドルからほぼ倍増しています。これは新たな借入れや社債の発行など、財務構造の変化を示唆しており、資金調達の拡大を示している可能性があります。

株主資本の減少:

株主資本は44,120百万ドルと、前年の49,907百万ドルから減少しています。純利益の減少が主な原因である可能性が高く、これにより企業の利益創出能力に懸念が生じている可能性があります。また、自社株買いの総額も増加しており、株価支援策が取られていることが見て取れますね!

財務分析(損益計算書

Cashflow Statement

収益の変動

最新の財務データ(2023年8月31日)では、収益は15,540百万ドルです。これは前年の30,758百万ドルから大幅に減少しており、前々年の27,705百万ドルと比較しても減少しています。この収益の急激な減少は市場環境の変化や競争の激化、外部要因によるものです。

運営コストと研究開発費

製品原価は、最新の期間で16,956百万ドルとなっており、前年(16,860百万ドル)とほぼ同じレベルを保っていますが、収益の減少により利益率が悪化していることが見て取れます。また、研究開発費は最新の期間で3,114百万ドルであり、前年とほぼ同じ(3,116百万ドル)ですが、前々年の2,663百万ドルからは増加しています。これは技術革新への投資を続けていることを示しており、長期的な競争力維持にはプラスです。

純損失

最新の財務データでは、純損失が-5,833百万ドルと記載されています。この大幅な純損失は、収益の減少と運営コストの維持が主な原因と考えられます。

財務分析(キャッシュフロー計算書)

Cashflow Statement

設備投資の減少と資金調達の増加:


設備投資に関する支出は、-7676百万ドルと前年の-12067百万ドルから減少しています。これは、企業が資本支出を抑えていることを示しており、おそらく市場の不確実性や財務状況の悪化に対する反応と考えられます。一方で、借入金による資金調達は6716百万ドルと、前年の2000百万ドルから大幅に増加しており、資金繰りを強化している可能性があります。


現金および現金同等物の増加
:
始期の現金および現金同等物は8339百万ドルであり、終期には8656百万ドルとなっています。これは、期間中に現金及び現金同等物が317百万ドル増加したことを意味します。この増加は、運転活動や投資活動、財務活動を通じて一部資金が増加したことを示していますが、純損失の記録など他の負の要素と相殺される形での増加です。

今後の株価の展望

Micron Technologyの財務諸表にはいくつかの懸念点があります。特に受取手形の大幅な減少は売上減少を示唆しており、株価にネガティブな影響を及ぼす可能性があります。一方で、長期負債の増加は、新たな投資や拡張のための資金確保を示していますが、返済負担の増大も意味します。

また、在庫の増加は新製品の投入や市場競争力の強化を目指している証拠ですが、これが成功するかは未定です。短期的には収益減少と高額な純損失が投資家にとってのリスクですが、継続的な研究開発投資が将来の市場競争力を高める可能性を持ちます。全体的な市場状況、業界競争、経済状態を踏まえ、中長期的な改善の余地はありますが、短期的には株価下落のリスクがあります。不透明な状況下なので慎重な投資戦略が求められます。

その他最新情報

www.micron.com

【銘柄分析】 Qualcomm Inc (QCOM)【米国株】

目次

会社概要

Qualcomm Inc(クアルコム)は、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴに本社を置く多国籍企業で、1985年に設立されました。この会社は、主にワイヤレス技術に関連する半導体やソフトウェアの開発、製造を行っています。特に3G、4G、5Gといったモバイル通信技術の分野で重要な特許を多数保有しており、その技術は世界中のモバイル通信標準に不可欠です。また、クアルコムNASDAQ市場に上場しており、ティッカーシンボルは「QCOM」です​ ( Wikipedia)​​ ( Yahoo Finance)​​ ( GlobalData)​。

クアルコムは複数の重要な市場指数にも組み入れられています。例えば、S&P 500指数やナスダック100指数に含まれており、これらの指数は投資家に広く追跡されている重要な市場のバロメーターとされています​ ( GlobalData)​。

現在のチャート

 

財務分析(貸借対照表

Balance Sheet

現金及び現金同等物の増加:2023年9月24日時点での現金及び現金同等物は8,450百万ドルで、前年の2,773百万ドルから大幅に増加しています。これは資金流動性の向上を示しており、会社が短期的な財務的安定性を保持していることを示しています。


有形固定資産の微減
:「Property, plant and equipment, net」は前年比で微減しており、5,168百万ドルから5,042百万ドルへと減少しています。これは設備投資が抑制されているか、減価償却が進んでいることを示唆しています。


長期負債の増加
:長期負債は前年の13,537百万ドルから14,484百万ドルへと増加しています。この増加は、資金調達のための借入が増えていることを示している可能性があり、財務構造の変化を示しています。

財務分析(損益計算書

Cashflow Statement

売上高の変動:

2023年(Latest)の総売上高は35,820百万ドルで、前年比から19.0%の減少を示しています(44,200百万ドルから)。2年前(33,566百万ドル)と比較すると、6.7%の増加が見られます。その一方でライセンシング収入は5,792百万ドルで、前年の7,029百万ドルから17.6%減少、2年前の6,825百万ドルに比べては15.1%の減少です。

運営コストと利益:

運営コスト(研究開発、販売一般管理費、その他)の合計は、2023年に28,032百万ドルで、前年の28,340百万ドルとほぼ同等ですが、2年前の23,777百万ドルからは17.9%増加しています。

財務分析(キャッシュフロー計算書)

Cashflow Statement

営業活動によるキャッシュフローの変動

最新の期間での営業活動による純所得は7,339百万ドルで、前年比で大幅に減少しています(前年:12,986百万ドル、前々年:9,043百万ドル)。在庫は最新の期間でわずか8百万ドルの増加がありましたが、前年では3,137百万ドルの減少がありました。これは、在庫管理の改善や市場需給の変化が反映されている可能性があります。その他の資産および負債の変動も大きく、営業活動からの純キャッシュフローが安定していないことを示しています(最新:2,472百万ドル、前年:-2,066百万ドル)。

投資活動と財務活動のキャッシュフロー

資本支出は最新の期間で1,450百万ドルと、前年の2,262百万ドルから減少しています。これは、投資の抑制か、より効率的な資本運用を行っていることを意味しています。財務活動によるキャッシュフローは最新の期間でわずか-58百万ドルであり、前年はわずか4百万ドルのプラスでした。短期債務の発行および返済がほぼ均衡しており(発行:5,068百万ドル、返済:-5,566百万ドル)、安定した財務構造を維持しています。

今後の株価の展望

Qualcomm Incの株価の今後の展望について考える際、上記の財務データはいくつかの重要な手掛かりがあります。現金及び現金同等物の増加が市場に好印象を与える可能性がある一方で、長期負債の増加による利払い負担の増大は懸念材料です。研究開発費の増加は将来の技術革新に貢献するかもしれませんが、短期的には売上と利益の低下が株価に悪影響を及ぼす恐れがあります。営業活動によるキャッシュフローの減少は懸念事項であるものの、投資活動の効率化と経済全体の状況、市場の動向、技術進化への対応が重要な要素です。

その他最新情報

www.qualcomm.com

【銘柄分析】 Advanced Micro Devices Inc (AMD)【米国株】

会社概要

Advanced Micro Devices Inc(AMD)は、高性能コンピューティング、グラフィックス、およびビジュアライゼーション技術を設計、製造、開発、および販売するアメリカの多国籍企業です。この会社は1969年に設立され、本社はカリフォルニア州サンタクララにあります (GlobalData)​。

AMDNASDAQに上場しており(ティッカーシンボルAMD)、主要な株式市場指数&P 500指数やNASDAQ-100指数にも含まれています。

現在のチャート

 

財務分析(貸借対照表

Balance Sheet

流動資産の増加

現金及び現金同等物は2023年で3,933百万ドル、2022年は4,835百万ドルです。減少していますが、その他の流動資産は増加しています。特に「売掛金」が5,376百万ドル(2023年)と4,126百万ドル(2022年)、そして「在庫」が4,351百万ドル(2023年)と3,771百万ドル(2022年)となっており、営業活動の拡大を示していますね!

有形固定資産の拡大と無形資産の減少

「物件、設備」は1,589百万ドル(2023年)と1,513百万ドル(2022年)で増加しており、企業が設備投資を積極的に行っていることを示しています。

一方で、「無形資産」は21,363百万ドル(2023年)と24,118百万ドル(2022年)で減少しており、無形資産の償却や再評価が行われた可能性があります。

負債と株主資本の変動

長期負債は「長期債務」が1,717百万ドル(2023年)と2,467百万ドル(2022年)で減少しており、財務の健全性が改善していそうです。

株主資本の部分で、「留保利益(累積赤字)」が723百万ドルの黒字(2023年)と-131百万ドルの赤字(2022年)と大きく改善しています。


財務分析(損益計算書

Income Statement

売上高の推移:

2021年度の売上高は16,434百万ドルから2022年度には23,601百万ドルへと大きく増加しました。2023年度には22,680百万ドルとわずかに減少しましたが、依然として高いレベルを維持しています。

研究開発費の増加:

2021年度の研究開発費は2,845百万ドルから2022年度には5,005百万ドルへと増加し、2023年度にはさらに5,872百万ドルへと増加しています。この投資の増加は、技術革新と製品の競争力向上へのコミットメントを示しています。

純利益の変動:

2021年度の純利益、3,162百万ドルから2022年度には1,320百万ドルへと大幅に減少し、2023年度には854百万ドルへとさらに減少しています。この減少は売上の減少、研究開発費の増加、そして取得関連の無形資産の償却費増加によるものです。

財務分析(キャッシュフロー計算書)

Cashflow Statement

営業活動によるキャッシュフロー:

純利益: 直近の純利益は854百万ドルと、前年の1320百万ドル、一昨年の3162百万ドルと比較して大幅に減少してあり、収益性が減少しています。

投資活動によるキャッシュフロー:

短期投資の購入: 直近での短期投資の購入額は3722百万ドルで、前年の2667百万ドルと比べ増加しています。一方で、短期投資の満期による収益は2687百万ドルと前年の4310百万ドルから減少しています。これはAMDがより多くの資金を流動性の低い資産に振り向けていることを示しています。

財務活動によるキャッシュフロー:

自社株買い: 直近での自社株買いは985百万ドルで、前年の3702百万ドルから大幅に減少しています。この動きは市場に対する自信の低下または他の投資機会への再配分の可能性を示している可能性があります。

今後の株価の展望

純利益の減少、投資活動の変動、および株式買い戻しの減少などの要因を考慮すると、Advanced Micro Devices, Inc.の株価は短期間において不確実性が高まる可能性があります。特にチップ業界の競争が激化している状況や、経済全体の変動も影響を及ぼすでしょう。ただし、会社が新しい技術や市場でのポジショニングを改善する戦略を打ち出す場合、長期的な成長潜在力は依然として高いかもしれません。

その他最新情報

ir.amd.com

 

【米国株】株価の下落局面での買い時の検証と定期積立の優位性 - S&P500 (VOO) を例に【分析】

こんにちは!最近の市場はかなり波がありましたね。特に、S&P500に追随するVOOは大きな動きを見せています。今回は、こうした不安定な市場でどのように投資戦略を立てれば良いのか、特に下落局面で追加購入をすることが有効なのか、Pythonを使って具体的な戦略を検証してみたいと思います!

いつも通り最下部にコードへのリンクを張っているので皆さん遊んでみてね!例えばオルカンでやったらどうなるか試してみてください!

使用するデータとツール

まずは、毎度おなじみ、Pythonyfinanceライブラリを使って、S&P500(VOO)の過去15年間の日足データをダウンロードします。これにより、実際の市場データを基にシミュレーションを行うことができます。

import numpy as np
import pandas as pd
import yfinance as yf
import matplotlib.pyplot as plt
import seaborn as sns
from matplotlib.colors import LinearSegmentedColormap

# S&P 500 ETF (VOO) のデータをダウンロード
voo = yf.Ticker("VOO")
data = voo.history(period="15y")
# S&P 500 ETF (VOO) のデータをダウンロード
voo = yf.Ticker("VOO")
data = voo.history(period="15y")

# 初期設定
initial_investment = 1000
data['Purchase Flag'] = data.index.day == 20
data['SMA50'] = data['Close'].rolling(window=50).mean()

#ベースライン(ただ単純に積立した場合)の計算
baseline_investment = 15 * 12 * initial_investment

投資戦略の策定

ここでは、毎月20日に一定額を投資する戦略(一般的なドルコスト平均法による積立投資)と、毎月の投資のうち一定額を積み立てておいて50日間の移動平均価格が特定のパーセンテージだけ下落した場合に追加で投資する戦略を設定しています。関数simulate_investmentはこれらの条件に基づいて投資のシミュレーションを行い、最終的な利回りを計算します。もちろん$1000も投資に回せるかは別としてとりあえず毎月一定額は投資に回す戦略です。

def simulate_investment(data, percentage_regular, sma_drop):
     # 投資額を割合に応じて分配
    regular_investment = percentage_regular * initial_investment
    extra_funds = initial_investment - regular_investment
    data['Regular Investment'] = data['Purchase Flag'] * regular_investment
    data['Extra Funds'] = extra_funds

    # 株の購入
    data['Regular Shares'] = data['Regular Investment'] / data['Close']

    # 初期のSavingsを設定
    data['Savings'] = 0
    data['Extra Investment'] = 0
    # 追加投資の条件
    data['Buy More'] = (data['Close'] * (1 - sma_drop / 100.0) < data['SMA50'])

    # Savingsの計算
    for i in range(1, len(data)):
        if data['Purchase Flag'].iloc[i]:
          data['Savings'].iloc[i] = data['Savings'].iloc[i-1] + data['Extra Funds'].iloc[i]
          break

    for j in range(len(data) - 1):
        if data['Buy More'].iloc[j] and data['Savings'].iloc[j] > 99:
          data['Extra Investment'].iloc[j] = 100
          data['Savings'].iloc[j + 1] = np.maximum(data['Savings'].iloc[j] - 100, 0) + data['Purchase Flag'].iloc[j]*data['Extra Funds'].iloc[j]

        else:
          data['Savings'].iloc[j + 1] = data['Savings'].iloc[j] + data['Purchase Flag'].iloc[j]*data['Extra Funds'].iloc[j]

    # 追加投資の実行
    data['Extra Shares'] = data['Extra Investment'] / data['Close']


    # 総株数とポートフォリオバランスの計算
    data['Total Shares'] = (data['Regular Shares'] + data['Extra Shares']).cumsum()
    portfolio_balance = data['Total Shares'] * data['Close'] + data['Savings']

    # ベースラインに対する利回りを計算
    final_value = portfolio_balance.iloc[-1]
    return_rate = (final_value - baseline_investment) / baseline_investment * 100  # 利回りをパーセンテージで計算

    return return_rate
 

結果の比較と視覚化

最後に、これらの戦略に基づく資産の最終リターンをヒートマップで比較し、どの戦略がより効果的であったかを視覚的に示します。

# パラメータの範囲
percentage_regulars = np.arange(0, 1.1, 0.1)  # 0% から 100% まで
sma_drops = np.arange(-1, -21, -1)  # -1% から -20% まで

# 結果を格納する配列
results = np.zeros*1
sns.heatmap(results, xticklabels=np.round(sma_drops, 2), yticklabels=np.round(percentage_regulars, 2),
            annot=True, fmt=".1f", cmap=cmap, center=0, annot_kws={"size": 8})  # annot_kwsでテキストサイズを指定
plt.title('Return Over Baseline (%)')
plt.xlabel('SMA Drop (%)')
plt.ylabel('Percentage of Regular Investment (%)')
plt.show()

結果

ヒートマップは、定期的な投資と市場の下落に基づいた追加投資の割合を変えた際の利回りを示しています。驚くべきことに、株価の下落局面で積極的に追加購入する戦略よりも、定期的に一定額を積み立てる方が、長期的にはより良い結果をもたらすことが分かりました。この結果は、市場タイミングを計ることの難しさとリスクを示唆しており、定期的な積立がリスクを分散し安定した成長を促す可能性を示しています。まさか、株価の大幅な下落を待つよりも、一定のリズムで投資を行うことが、長期的には有効であるという結論になるとは思いませんでしたね!

今回のコードは下のリンクからどうぞ!

colab.research.google.com

*1:len(percentage_regulars), len(sma_drops)))


# シミュレーションの実行
for i, perc in enumerate(percentage_regulars):
    for j, drop in enumerate(sma_drops):
        results[i, j] = simulate_investment(data.copy(), perc, drop)

# カスタムカラーマップの定義
cmap = LinearSegmentedColormap.from_list(
    'custom_blue_white_red',
    [(0, 'blue'), (0.5, 'white'), (1, 'red')],
    N=256
)

# ヒートマップの作成
plt.figure(figsize=(10, 8

【米国ETF】2024/4/17 ポートフォリオの保有残高【NISA】

今週の運用状況も公開していこうと思います。現在Side Fireを目指して活動中です。


週間サマリー: 今週は今週は取引履歴はありません。買い増し時には自家製のリバランスプログラムを使います。もちろん無料でコードを公開していますので皆さんも使ってくださいね!また毎月の最適な積立日があるのってご存知でした?ぜひこちらの記事 もご覧ください。最近は地政学リスクもありリスクオフ一色の市況だったのでポートフォリオ残高もさみしくなっています。

取引履歴: 今週の取引はありませんでした。

2024/4/17 取引残高

米国ETF $61,187.83 (¥9,440,547 @154.29)

投資信託 ¥2,101,560

現金 ¥0

2024/4/17 米国ETF

 

2024/4/17 投資信託

2024/4/17 資産推移

ai-and-finance.net




 

 

 

 

 

 

【銘柄分析】Broadcom Inc.(AVGO)【米国株】

会社概要

Broadcom Inc.(ブロードコム)は、主に半導体とインフラソフトウェアの設計、開発、供給を行うアメリカの多国籍企業です。データセンター、ネットワーキング、ソフトウェア、ブロードバンド、ワイヤレス、ストレージ、工業市場に製品を提供しています。また、エンタープライズソフトウェアやセキュリティソリューションの分野でも活動しており、さまざまな技術的ニーズに対応する製品群を持っています​ (Broadcom Inc. | Connecting Everything)​。もともと1991年にBroadcom Corporationとして設立されました。2016年にはAvago Technologiesによって買収され、名前がBroadcom LimitedからBroadcom Inc.に変更されました。この変更は2017年に法的な住所をシンガポールからデラウェア州に移転することに伴い行われました​ (Wikipedia)​。Broadcom Inc.はNASDAQ証券取引所に上場しており、ティッカーシンボルは「AVGO」です​ 。その規模と市場での影響力から、複数の主要な指数に組み入れられています。これには、S&P 500指数やNASDAQ-100指数などが含まれます。これは、企業の安定した業績と市場における重要性を反映しています​ (GlobalData)​。

現在のチャート

 

財務分析(貸借対照表

Balance Sheet

現金及び現金同等物の増加:2022年10月30日から2023年10月29日までの間に、現金及び現金同等物が12,416百万ドルから14,189百万ドルに増加しています。これは、企業がより多くの流動資産を保持していることを示しており、財務的な柔軟性が向上している可能性があります。

有形固定資産の減少と無形資産の大幅な減少:有形固定資産(Property, plant and equipment)は前年比で減少しており(2,223百万ドルから2,154百万ドル)、さらに無形資産(Intangible assets, net)は7,111百万ドルから3,867百万ドルへと大きく減少しています。この減少は、減損や売却が行われた可能性を示唆していますのでキャッシュフロー計算書も見てみましょう。

長期負債の減少:長期負債は前年の39,075百万ドルから37,621百万ドルに減少しています。これは、企業が借入金の返済を進め、負債レベルを低下させていることを示しており、財務の健全性が向上していることがわかりますね。

財務分析(損益計算書

Income Statement

収益の増加:製品売上高は、2021年の20,886百万ドルから2023年には27,891百万ドルへと33%増加しています。サブスクリプションとサービスの収益も同期間中に約21%増加し、6,564百万ドルから7,928百万ドルに成長しています。

コストの管理と収益性の向上:製品の販売コストは2021年の6,555百万ドルから2023年に8,636百万ドルへと増加していますが、収益増加率と比較すると比較的抑えられています。買収関連無形資産の償却コストは、2021年の3,427百万ドルから2023年には1,853百万ドルへと大幅に減少しており、これが全体的なコスト削減に寄与しています。

純利益の顕著な増加:純利益は、2021年の6,736百万ドルから2023年には14,082百万ドルへと約109%増加しています。これは、売上高の増加と効率的なコスト管理によるものです。

財務分析(キャッシュフロー計算書)

Cash Flow Statement

キャッシュフローの管理:運転活動によるキャッシュフローは、純利益の増加と並行して、様々な経費や費用の管理が行われていることが観察できます。例えば、棚卸資産は最新のデータで27百万ドルの増加を示しており、前年は627百万ドルの減少があったことから改善が見られます。また、有形固定資産の購入はやや増加しており(-452百万ドルから-424百万ドル)、投資への積極的な姿勢を反映しています。

資金繰りと資本政策の実行:配当の支払いは継続的に増加しており、2023年は7,645百万ドルに達しています。これは投資家への還元姿勢が強いことを示しており、株主価値の向上に寄与しています。また、自社株買いも積極的に行われており、2023年には5,824百万ドルの株式が再購入されています。

今後の株価の展望

Broadcom Inc.は財務面で健全な成長を続けており、特に純利益の大幅な増加は企業の収益性の高さを示しています。また、運転資本の効率的な管理と資本還元政策は、投資家にとって魅力的な要素です。特に、製品売上とサブスクリプションサービスの安定した成長が見られ、利益増加に寄与しています。これらのポイントは、市場における同社の株価を支える要因となり得るでしょう。

その他最新情報

www.broadcom.com