AIとファイナンス

AIとファイナンスの架け橋、それがこのブログの目指すところです。兼業投資家向けに、Pythonを駆使して株やFXの分析を「自分で」行えるようになるための情報を提供します。ニューラルネットワークを活用した市場予測から、実証済みの金融理論まで、全てのコードを公開し、誰もが活用できるように!是非色々なコードで遊んでみてください!

【米国株】株価の下落局面での買い時の検証と定期積立の優位性 - S&P500 (VOO) を例に【分析】

こんにちは!最近の市場はかなり波がありましたね。特に、S&P500に追随するVOOは大きな動きを見せています。今回は、こうした不安定な市場でどのように投資戦略を立てれば良いのか、特に下落局面で追加購入をすることが有効なのか、Pythonを使って具体的な戦略を検証してみたいと思います!

いつも通り最下部にコードへのリンクを張っているので皆さん遊んでみてね!例えばオルカンでやったらどうなるか試してみてください!

使用するデータとツール

まずは、毎度おなじみ、Pythonyfinanceライブラリを使って、S&P500(VOO)の過去15年間の日足データをダウンロードします。これにより、実際の市場データを基にシミュレーションを行うことができます。

import numpy as np
import pandas as pd
import yfinance as yf
import matplotlib.pyplot as plt
import seaborn as sns
from matplotlib.colors import LinearSegmentedColormap

# S&P 500 ETF (VOO) のデータをダウンロード
voo = yf.Ticker("VOO")
data = voo.history(period="15y")
# S&P 500 ETF (VOO) のデータをダウンロード
voo = yf.Ticker("VOO")
data = voo.history(period="15y")

# 初期設定
initial_investment = 1000
data['Purchase Flag'] = data.index.day == 20
data['SMA50'] = data['Close'].rolling(window=50).mean()

#ベースライン(ただ単純に積立した場合)の計算
baseline_investment = 15 * 12 * initial_investment

投資戦略の策定

ここでは、毎月20日に一定額を投資する戦略(一般的なドルコスト平均法による積立投資)と、毎月の投資のうち一定額を積み立てておいて50日間の移動平均価格が特定のパーセンテージだけ下落した場合に追加で投資する戦略を設定しています。関数simulate_investmentはこれらの条件に基づいて投資のシミュレーションを行い、最終的な利回りを計算します。もちろん$1000も投資に回せるかは別としてとりあえず毎月一定額は投資に回す戦略です。

def simulate_investment(data, percentage_regular, sma_drop):
     # 投資額を割合に応じて分配
    regular_investment = percentage_regular * initial_investment
    extra_funds = initial_investment - regular_investment
    data['Regular Investment'] = data['Purchase Flag'] * regular_investment
    data['Extra Funds'] = extra_funds

    # 株の購入
    data['Regular Shares'] = data['Regular Investment'] / data['Close']

    # 初期のSavingsを設定
    data['Savings'] = 0
    data['Extra Investment'] = 0
    # 追加投資の条件
    data['Buy More'] = (data['Close'] * (1 - sma_drop / 100.0) < data['SMA50'])

    # Savingsの計算
    for i in range(1, len(data)):
        if data['Purchase Flag'].iloc[i]:
          data['Savings'].iloc[i] = data['Savings'].iloc[i-1] + data['Extra Funds'].iloc[i]
          break

    for j in range(len(data) - 1):
        if data['Buy More'].iloc[j] and data['Savings'].iloc[j] > 99:
          data['Extra Investment'].iloc[j] = 100
          data['Savings'].iloc[j + 1] = np.maximum(data['Savings'].iloc[j] - 100, 0) + data['Purchase Flag'].iloc[j]*data['Extra Funds'].iloc[j]

        else:
          data['Savings'].iloc[j + 1] = data['Savings'].iloc[j] + data['Purchase Flag'].iloc[j]*data['Extra Funds'].iloc[j]

    # 追加投資の実行
    data['Extra Shares'] = data['Extra Investment'] / data['Close']


    # 総株数とポートフォリオバランスの計算
    data['Total Shares'] = (data['Regular Shares'] + data['Extra Shares']).cumsum()
    portfolio_balance = data['Total Shares'] * data['Close'] + data['Savings']

    # ベースラインに対する利回りを計算
    final_value = portfolio_balance.iloc[-1]
    return_rate = (final_value - baseline_investment) / baseline_investment * 100  # 利回りをパーセンテージで計算

    return return_rate
 

結果の比較と視覚化

最後に、これらの戦略に基づく資産の最終リターンをヒートマップで比較し、どの戦略がより効果的であったかを視覚的に示します。

# パラメータの範囲
percentage_regulars = np.arange(0, 1.1, 0.1)  # 0% から 100% まで
sma_drops = np.arange(-1, -21, -1)  # -1% から -20% まで

# 結果を格納する配列
results = np.zeros*1
sns.heatmap(results, xticklabels=np.round(sma_drops, 2), yticklabels=np.round(percentage_regulars, 2),
            annot=True, fmt=".1f", cmap=cmap, center=0, annot_kws={"size": 8})  # annot_kwsでテキストサイズを指定
plt.title('Return Over Baseline (%)')
plt.xlabel('SMA Drop (%)')
plt.ylabel('Percentage of Regular Investment (%)')
plt.show()

結果

ヒートマップは、定期的な投資と市場の下落に基づいた追加投資の割合を変えた際の利回りを示しています。驚くべきことに、株価の下落局面で積極的に追加購入する戦略よりも、定期的に一定額を積み立てる方が、長期的にはより良い結果をもたらすことが分かりました。この結果は、市場タイミングを計ることの難しさとリスクを示唆しており、定期的な積立がリスクを分散し安定した成長を促す可能性を示しています。まさか、株価の大幅な下落を待つよりも、一定のリズムで投資を行うことが、長期的には有効であるという結論になるとは思いませんでしたね!

今回のコードは下のリンクからどうぞ!

colab.research.google.com

*1:len(percentage_regulars), len(sma_drops)))


# シミュレーションの実行
for i, perc in enumerate(percentage_regulars):
    for j, drop in enumerate(sma_drops):
        results[i, j] = simulate_investment(data.copy(), perc, drop)

# カスタムカラーマップの定義
cmap = LinearSegmentedColormap.from_list(
    'custom_blue_white_red',
    [(0, 'blue'), (0.5, 'white'), (1, 'red')],
    N=256
)

# ヒートマップの作成
plt.figure(figsize=(10, 8

【米国ETF】2024/4/17 ポートフォリオの保有残高【NISA】

今週の運用状況も公開していこうと思います。現在Side Fireを目指して活動中です。


週間サマリー: 今週は今週は取引履歴はありません。買い増し時には自家製のリバランスプログラムを使います。もちろん無料でコードを公開していますので皆さんも使ってくださいね!また毎月の最適な積立日があるのってご存知でした?ぜひこちらの記事 もご覧ください。最近は地政学リスクもありリスクオフ一色の市況だったのでポートフォリオ残高もさみしくなっています。

取引履歴: 今週の取引はありませんでした。

2024/4/17 取引残高

米国ETF $61,187.83 (¥9,440,547 @154.29)

投資信託 ¥2,101,560

現金 ¥0

2024/4/17 米国ETF

 

2024/4/17 投資信託

2024/4/17 資産推移

ai-and-finance.net




 

 

 

 

 

 

【銘柄分析】Broadcom Inc.(AVGO)【米国株】

会社概要

Broadcom Inc.(ブロードコム)は、主に半導体とインフラソフトウェアの設計、開発、供給を行うアメリカの多国籍企業です。データセンター、ネットワーキング、ソフトウェア、ブロードバンド、ワイヤレス、ストレージ、工業市場に製品を提供しています。また、エンタープライズソフトウェアやセキュリティソリューションの分野でも活動しており、さまざまな技術的ニーズに対応する製品群を持っています​ (Broadcom Inc. | Connecting Everything)​。もともと1991年にBroadcom Corporationとして設立されました。2016年にはAvago Technologiesによって買収され、名前がBroadcom LimitedからBroadcom Inc.に変更されました。この変更は2017年に法的な住所をシンガポールからデラウェア州に移転することに伴い行われました​ (Wikipedia)​。Broadcom Inc.はNASDAQ証券取引所に上場しており、ティッカーシンボルは「AVGO」です​ 。その規模と市場での影響力から、複数の主要な指数に組み入れられています。これには、S&P 500指数やNASDAQ-100指数などが含まれます。これは、企業の安定した業績と市場における重要性を反映しています​ (GlobalData)​。

現在のチャート

 

財務分析(貸借対照表

Balance Sheet

現金及び現金同等物の増加:2022年10月30日から2023年10月29日までの間に、現金及び現金同等物が12,416百万ドルから14,189百万ドルに増加しています。これは、企業がより多くの流動資産を保持していることを示しており、財務的な柔軟性が向上している可能性があります。

有形固定資産の減少と無形資産の大幅な減少:有形固定資産(Property, plant and equipment)は前年比で減少しており(2,223百万ドルから2,154百万ドル)、さらに無形資産(Intangible assets, net)は7,111百万ドルから3,867百万ドルへと大きく減少しています。この減少は、減損や売却が行われた可能性を示唆していますのでキャッシュフロー計算書も見てみましょう。

長期負債の減少:長期負債は前年の39,075百万ドルから37,621百万ドルに減少しています。これは、企業が借入金の返済を進め、負債レベルを低下させていることを示しており、財務の健全性が向上していることがわかりますね。

財務分析(損益計算書

Income Statement

収益の増加:製品売上高は、2021年の20,886百万ドルから2023年には27,891百万ドルへと33%増加しています。サブスクリプションとサービスの収益も同期間中に約21%増加し、6,564百万ドルから7,928百万ドルに成長しています。

コストの管理と収益性の向上:製品の販売コストは2021年の6,555百万ドルから2023年に8,636百万ドルへと増加していますが、収益増加率と比較すると比較的抑えられています。買収関連無形資産の償却コストは、2021年の3,427百万ドルから2023年には1,853百万ドルへと大幅に減少しており、これが全体的なコスト削減に寄与しています。

純利益の顕著な増加:純利益は、2021年の6,736百万ドルから2023年には14,082百万ドルへと約109%増加しています。これは、売上高の増加と効率的なコスト管理によるものです。

財務分析(キャッシュフロー計算書)

Cash Flow Statement

キャッシュフローの管理:運転活動によるキャッシュフローは、純利益の増加と並行して、様々な経費や費用の管理が行われていることが観察できます。例えば、棚卸資産は最新のデータで27百万ドルの増加を示しており、前年は627百万ドルの減少があったことから改善が見られます。また、有形固定資産の購入はやや増加しており(-452百万ドルから-424百万ドル)、投資への積極的な姿勢を反映しています。

資金繰りと資本政策の実行:配当の支払いは継続的に増加しており、2023年は7,645百万ドルに達しています。これは投資家への還元姿勢が強いことを示しており、株主価値の向上に寄与しています。また、自社株買いも積極的に行われており、2023年には5,824百万ドルの株式が再購入されています。

今後の株価の展望

Broadcom Inc.は財務面で健全な成長を続けており、特に純利益の大幅な増加は企業の収益性の高さを示しています。また、運転資本の効率的な管理と資本還元政策は、投資家にとって魅力的な要素です。特に、製品売上とサブスクリプションサービスの安定した成長が見られ、利益増加に寄与しています。これらのポイントは、市場における同社の株価を支える要因となり得るでしょう。

その他最新情報

www.broadcom.com

【銘柄分析】NVIDIA(NVDA)【米国株】

会社概要

NVIDIA Corporationは、主にグラフィックス処理ユニット(GPU)、セントラル処理ユニット(CPU)、システムオンチップユニット(SoC)を設計・開発しているアメリカの技術企業です。同社はゲーム、プロフェッショナルビジュアライゼーション、データセンター、自動車市場に製品を提供しています。NVIDIAは1993年に設立され、AIやディジタルツインで世界最大の産業を変革しています。​ ( NVIDIA)​​ (GlobalData)

NVIDIAはナスダックに上場しており、ティッカーシンボルは「NVDA」です。​ (GlobalData)

さらに、NVIDIAは複数の重要な市場指数に組み込まれています。これには、S&P 500やNASDAQ 100などが含まれています。​ (GlobalData)​​ ( FT Markets)

現在のチャート

 

財務分析(貸借対照表

Balance Sheet
  1. 流動資産の増加:

    • 現金及び現金同等物は前年の3,389百万ドルから7,280百万ドルに大幅に増加しました。これは、114%の増加を示しています。
    • 市場性有価証券も9,907百万ドルから18,704百万ドルへと89%増加しています。
    • 受取口座(Accounts receivable, net)も3,827百万ドルから9,999百万ドルへと大きく増えています(161%増)。
  2. 負債と株主資本の動向:

    • 長期借入金は前年の9,703百万ドルから8,459百万ドルに減少しており、13%の減少を示しています。
    • 株主資本の内訳を見ると、保留利益(Retained earnings)が10,171百万ドルから29,817百万ドルへと約193%増加しており、会社の利益の再投資が進んでいることがわかります。
  3. その他の非流動資産及び負債:

    • 流動資産の中で、繰延税金資産(Deferred income tax assets)が3,396百万ドルから6,081百万ドルへと約79%増加しています。
    • 長期賃貸借リース負債(Long-term operating lease liabilities)も902百万ドルから1,119百万ドルへと増加しています(24%増)。

財務分析(損益計算書

Income Statement
  1. 売上高の増加: NVIDIA Corporationの売上高は、2022年の26,914百万ドルから2023年の26,974百万ドルへとわずかに増加した後、2024年には大幅に増加し60,922百万ドルに達しました。これは、前年比で約126%の増加を示しており、非常に強い成長を示しています。

  2. 営業利益の大幅な増加: 営業利益は、2022年の10,041百万ドルから2023年の4,224百万ドルへと減少したものの、2024年には32,972百万ドルに大幅に増加しました。これは、2023年比で約680%の増加となり、企業の収益性が非常に向上していることを示しています。

  3. 研究開発費の増加: 研究開発費は、2022年の5,268百万ドルから2023年の7,339百万ドル、そして2024年には8,675百万ドルへと増加し続けています。これは、技術革新と市場での競争力を維持するための投資が続いていることを示唆しています。

 財務分析(キャッシュフロー計算書)

Cash Flow Statement
  1. 純利益の増加: 最新の財務年度である2024年1月28日に終了した年における純利益は29,760百万ドルで、前年の4,368百万ドルと比べて大幅に増加しています。これは2年前の9,752百万ドルと比較しても3倍以上の額です。この急激な増加は、会社の収益性が大幅に向上していることを示しています。

  2. キャッシュフローの変動: 営業活動によるキャッシュフローの主な要素として、株式ベースの報酬費用が3,549百万ドルから2,709百万ドル、2,004百万ドルと年々増加しています。また、売掛金キャッシュフローは前年度に822百万ドルのプラスだったのが、最新年度では6,172百万ドルのマイナスに転じています。このような変動は運転資本の管理と会社の流動性に影響を与える可能性があります。

  3. 現金と現金同等物の増加: 年初のキャッシュおよび現金同等物は2022年に847百万ドルでしたが、2023年には1,990百万ドル、そして2024年には3,389百万ドルと増加しています。年末のキャッシュおよび現金同等物は2024年には7,280百万ドルに達し、これは前年の3,389百万ドルから大きく増加しています。この増加は、会社が安定した財政基盤を維持していることを示しており、投資や事業拡大の余地を提供しています。

今後の株価の展望

これらのデータから、NVIDIA Corporationは財務的に安定し、成長を続けていることが伺えます。特に流動資産の増加は、事業運営の柔軟性と将来の投資や運転資本のための余地を提供しています。また、負債の一部が減少していることから、財務健全性が向上しているとも考えられます。流動資産の増加や保留利益の大幅な増加は、投資家にとって好ましい兆候です。これは、会社が収益を効果的に再投資していることを示しており、将来的に収益成長が見込まれる可能性が高いです。


その他最新情報

www.nvidia.com

【銘柄分析】Carnival Corporation & PLC (CCL)【米国株】

会社概要

カーニバルクルーズ(Carnival Cruise)は、1972年に設立され、主に北米、英国、ドイツ、南欧、南米でレジャー旅行サービスを提供しています。同社のポートフォリオには、カーニバル・クルーズラインズ、プリンセス・クルーズ、ホーランド・アメリカ・ライン、P&Oクルーズ、シーボーン、オーシャン・ビレッジ、コスタ、アイーダ、イベロクルセロス、キュナード・ラインなどが含まれます。Carnival Cruiseはニューヨーク証券取引所NYSE)に上場しており、ティッカーシンボルはCCLです​ (Stock Analysis)​。

現在のチャート

 

財務分析(貸借対照表

Balance Sheet
  1. 流動資産の減少:2023年11月30日時点での総流動資産は5,266百万ドルであり、前年の7,492百万ドルから大幅に減少しています。特に「現金及び現金同等物」が2,415百万ドルから4,029百万ドルへと減少し、「制限付き現金」が1,988百万ドルから11百万ドルへと大幅に減少しています。

  2.  
  3. 流動資産の増加:非流動資産の合計は、2023年の49,120百万ドルと前年の51,703百万ドルと比べて減少していますが、「有形固定資産、正味」は40,116百万ドルから38,687百万ドルに増加しています。これは恐らく新しい資産の取得や投資によるものです。

  4. 負債の変動:短期借入金が2022年の200百万ドルからゼロになっていますが、長期債務は31,953百万ドルから28,483百万ドルに減少しており、財務のリスクを管理しようとする姿勢が見られます。

  5.  
  6. 顧客預金の増加:顧客からの預金が4,874百万ドルから6,072百万ドルへと増加しており、将来のサービスへの需要が高いことを示しています。

  7.  
  8. 株主資本のわずかな減少:株主資本が7,065百万ドルから6,882百万ドルにわずかに減少しています。これには「総包括利益(損失)累計額」が-1,982百万ドルから-1,939百万ドルに改善しているものの、「保有株式」の負の数値がほぼ同じレベルであることが影響しています。


 財務分析(損益計算書

Income Statement
  1. 収益の増加: 乗客チケット収益は2021年の10億ドルから2023年には140.67億ドルへと大幅に増加しています。同様に、船上及びその他の収益も2021年の9.08億ドルから2023年には75.26億ドルへと増加しています。これはコロナ後の客足の回復を反映していますね。

  2.  
  3. 運営費用の変動: 運営費用の中で、特に燃料費は2021年の6.8億ドルから2023年には20.47億ドルへと約3倍増加しました。これに対し、船舶およびその他の損耗については2022年の4.4億ドルから2023年には0ドルになり、大きく削減されています。

  4.  
  5. 利息収入と利息費用の差: 利息収入は2021年の0.12億ドルから2023年には2.33億ドルへと増加しており、利息収入の増加が見られます。一方、純利息費用は2021年の16.01億ドルから2023年には20.66億ドルへと増加していますが、この差は総収益の増加に比べれば小さい部分です。

  6.  
  7. 営業外収支の変動: 営業外収支では、特に負債消滅および修正費用が2021年の6.7億ドルから2023年には1.11億ドルへと大幅に減少しています。また、その他の営業外費用も減少しています。

  8.  
  9. 純損益の改善: 純損益は、2021年の95.01億ドルの損失から2023年には0.74億ドルの損失となり、著しく改善されています。2022年から2023年にかけての純損失の減少も顕著です。

 

今後の株価の展望

CARNIVAL CORPORATION & PLCの株価の今後の展望については、以下の要因が考慮されるべきです。

  • 収益の回復: コロナ後の回復傾向として、乗客数の増加や消費意欲の回復が明確に見られます。これは収益増加に直結し、投資家にとってはポジティブなシグナルです。
  • 費用管理の効果: 運営コストの中で不必要な部分を削減し、効率的な管理が行われている点も評価される可能性があります。
  • 財務構造の改善: 営業外費用の削減と利息収入の増加は、会社の財務状況の安定化に寄与しています。

これらの要素から、将来の市場環境や経済全体の動向にも依存しますが、株価は徐々に回復し、投資家にとって魅力的な選択肢となる可能性がありそうですよね!


その他最新情報

最近の記事では、Carnival Cruiseがサステナブル(持続可能性)目標を達成したことなどが書かれているようですね。

www.carnival.com

www.prnewswire.com

【銘柄分析】Shopify (SHOP)【米国株】

会社概要

Shopify Inc.(ショッピファイ)は、カナダのオタワに本社を置く電子商取引企業です。この会社は2004年に設立され、2015年5月21日にニューヨーク証券取引所NYSE)に上場しました。Shopifyは、オンラインストアと小売のポイント・オブ・セールシステムのためのeコマースプラットフォームを提供しており、ウェブやモバイルのフロントエンド、物理的な小売ロケーション、ポップアップショップ、ソーシャルメディアストアフロント、ネイティブモバイルアプリ、購入ボタン、マーケットプレイスを通じて製品を展示、管理、販売することができます。また、商品や在庫の管理、注文と支払いの処理、注文の履行と出荷、新規顧客の獲得と顧客関係の構築、製品の調達、アナリティクスとレポーティングの利用、現金、支払い、取引の管理、資金調達へのアクセスなど、商人がビジネスを行うための多様なサービスを提供しています。Shopifyの株式はS&P500にリストされているのでS&P500をETFなどを通じて買われている方はポートフォリオに含まれていることになります。( Stock Analysis)

現在のチャート

 

 

 

財務分析(貸借対照表

  1. Balance Sheet

    流動資産の変化

    • 現金及び現金同等物が1,413百万ドルに減少しています(前年比-236百万ドル)。これは、会社が現金を使用して運転資本を増やしたか、投資に使った可能性があります。
    • 市場性有価証券は3,595百万ドルに増加し、前年比+191百万ドルとなっています。これは、より多くの投資が行われたことを示しています。
    • 商売上の貸付金などは816百万ドルに増加し、前年比+236百万ドルです。これは収益源の成長の証ですね。
  2. 流動資産の大きな変動

    • 無形資産(純額)が大幅に減少して29百万ドルになっています(前年比-361百万ドル)。この減少は、子会社の売却によるものです。
    • のれんが427百万ドルに減少し、前年比-1,409百万ドルとなっています。これは、前年に比べて事業の将来収益性に対する評価が下がったことを示していそうです。
  3. 負債の変動

    • 短期借入金及び負債が減少しています。特に、運転リース債務が217万ドルに減少し(前年比-248百万ドル)しました。
    • 長期借入金が916百万ドルとほぼ変わらず(前年比+3百万ドル)、会社は新たな大規模な借入を行っていないことがわかります。
  4. 株主資本の増加

    • 一般株式は9,201万ドルに増加し(前年比+454百万ドル)、追加払込資本も251百万ドルに増加しています(前年比+221百万ドル)。これは、新たな資本調達や株式発行が行われたことを示しています。
  5. 累積損失の減少

    • 累積赤字が-390百万ドルに減少しており(前年比+132百万ドル)、会社の財務状態が改善している兆しを示しています。

株価の今後の展望

財務諸表から読み取れる情報に基づき、Shopify Inc.の株価について以下の展望を持ちます。

  • ポジティブ要素:累積赤字の減少や株主資本の増加は、投資家にとってポジティブなサインです。これらは、会社の健全性と成長への自信の表れであり、長期的な投資の魅力を高める可能性があります。
  • ネガティブ要素:無形資産、特にGoodwill(のれん)の大幅な減少は、一部の事業部門や資産の価値の減少を示唆しています。これは、短期的には投資家の懸念材料となる可能性があります。

その他最新情報

  1. 2024年4月4日-「ShopifyのQ1業績: 期待を超える増益にも関わらず、投資家の反応は様々」 - Seeking Alpha​ (Simply Wall St)
  2. 2024年4月3日-「Shopifyの株価は安定しており、新たなビジネスモデルが功を奏しているかもしれない」 - Simply Wall St​ (Simply Wall St)

www.shopify.com

 

stockanalysis.com

【銘柄分析】SoundHound AI (SOUN)【米国株】

会社概要

SoundHound AI, Inc. は、音声AIと音声認識技術を開発する企業で、2005年に設立されました。同社は自動車、テレビ、IoT、および顧客サービス業界向けに高品質な会話体験を提供する独立した音声人工知能(AI)ソリューションを開発しています。SoundHound AIの製品には、ブランドが会話型音声アシスタントを構築するのを支援するHoundifyプラットフォーム、リアルタイムデータを取り込むSoundHound Chat AI、顧客施設にカスタムAIパワード音声アシスタントを提供するSoundHound Smart Answeringなどが含まれます​ (Yahoo Finance)​​ (Stock Analysis)​。

SoundHound AIは、2022年4月28日にSPAC(特別買収目的会社)合併を経てNASDAQに上場しました。この合併により公開会社となり、SOUNとしてNASDAQに上場しています​ (Wikipedia)​。

現在のチャート

 

財務分析(貸借対照表

  1. Balance Sheet


    現金及び現金同等物の増加
    : SOUNの現金及び現金同等物は、2022年の9,245千ドルから2023年には95,260千ドルと大幅に増加しています。これは、企業が大きな資金調達を行ったことによるものです。

  2. 総資産の増加: 同社の総資産は、2022年の17,703千ドルから2023年には113,542千ドルと大幅に増加しています。特に、契約資産及び未請求収入(現在分)が1,671千ドルから11,780千ドルへと顕著に増加しています。これは新たなビジネス契約の獲得や既存契約の成長を示唆しています。例えばNVIDIAからの業務委託契約なども可能性としてあるかもしれませんね。

  3. 負債の減少: 注目すべき点として、短期借入金が2022年の16,668千ドルから2023年には0になっています。また、長期負債も含めた負債全体が、前年に比べて減少していることが見受けられます。これは企業の財務構造が改善されていることを示しています。

  4. 株主資本の改善: 株主資本が、2022年の-36,565千ドルから2023年には28,168千ドルへと改善しています。この大幅な改善は、追加払込資本の増加(466,857千ドルから606,135千ドル)と、シリーズA優先株の発行(14,187千ドル)によるものです。これは投資家からの資金調達活動が活発であることを示しています。

  5. 累積損失の増加: 累積損失が、2022年の503,442千ドルから2023年には592,379千ドルへと増加しています。これは、企業が依然として損失を出していることを示していますが、株主資本の増加は企業が将来的な成長のための投資を行っていると言えます。

株価の今後の展望:

この会社の財務状況は、明らかに改善傾向にあります。現金及び現金同等物の大幅な増加、負債の減少、株主資本の改善は、企業が健全な財務基盤を築いていることを示しています。しかし、累積損失の増加は、依然として企業が利益を出していないということでもあります。したがって、SoundHound AIがこれらの資金をどのように活用してビジネスを成長させ、利益を生み出すかにかかっています。短期的には、資金調達や財務改善のニュースによってポジティブな動きを見せる可能性がありますが、長期的な視点では、持続可能な収益性の達成が鍵となるでしょう。投資家は、同社の成長戦略と収益性向上の計画に注目し、それに基づいて株価の将来の展望を評価する必要があります。

その他最新情報

最初のプレスリリースでは、2024年3月25日にSoundHound AIの音声アシスタントが日本でStellantis DS Automobilesに統合されたGenerative AIを初めて導入したことを報じています。またその他には、2024年3月18日にSoundHound AIがNVIDIAと連携し、接続が不要で車内でGenerative AIレスポンスを提供するOn-Chip Voice AIを提供開始したことを伝えています​ ( SoundHound AI)​。

www.soundhound.com

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